株式投資を始めて、俺の資産は増えた。
2026年8月現在の資産は約1,800万円。内訳は株式資産1,600万円、現金200万円だ。それだけあれば、以前より安心できそうなものだが、俺の場合は不安が増えた。
株価、物価、将来の生活費を考えるようになり、何かを買うたびに「このお金で株を買ったほうがいいのでは」と迷う。投資で金銭感覚がどう変わったのか、正直に書いていく。
資産は増えたのに、安心できなくなった

投資を始める前は、銀行口座にある金額が自分の資産だと思っていた。10万円を使えば10万円減る。使わなければ、そのまま残る。単純だった。
現在は資産の大部分を株式で保有している。株価が上がれば資産は増えるが、下がれば減る。
2024年8月の株価下落では、3日ほどで含み益が約200万円減った。売却したわけではないので損失が確定したわけではない。それでも、証券口座から200万円が消えたように見えた。
証券口座に表示されている今日の100万円が、明日も100万円とは限らない。株式資産1,600万円なら、全体が1%動くだけでも単純計算で16万円変わる。俺の1か月分の生活費に近い金額だ。
現金なら額面は急に減らない。しかし、最近の値上げを見ていると、100万円で買える物は少しずつ減っていると感じる。俺は今後も物価が上がり続けると思っている。株を持っても不安、現金で持っても不安。お金の知識を得た結果、心配する対象が増えた。
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何かを買うたびに、株と比べるようになった

投資を始めてから、消費することへの抵抗が強くなった。
服が欲しくなっても、「この金額で株を買ったほうがいいのでは」と考える。大きな買い物をするときは、自分を納得させる理由を見つけなければ買えない。
必要だから買う。長く使えるから買う。仕事で使うから買う。理由が見つからない物は、感情では欲しくても理性が「いらない」と判断する。
お金を使うことが、現在の満足と将来の利益を比べる作業になった。
以前より金銭感覚がしっかりしたとも言えるが、単純にケチが強化されただけかもしれない。
旅行の10万円を、配当金3,500円と比べてしまう

旅行へ行こうと思っても、出費の大きさが気になる。
例えば、旅行に10万円を使えば、その10万円は手元からなくなる。一方、想定配当利回り3.5%の株を10万円分買えば、単純計算で年間3,500円の配当金を受け取れる可能性がある。
| 10万円の使い道 | 手元に残るもの |
|---|---|
| 旅行に使う | 体験や思い出 |
| 株を買う | 年間3,500円の配当金を得られる |
減配や無配になることもあれば、株価が下がって元本割れする可能性もある。それでも俺の頭の中では、なくなる10万円と、お金を生むかもしれない10万円を天秤にかけてしまう。
そして俺は旅行をやめ、YouTubeの旅動画を見て行った気になる。
財布は無傷。しかし、思い出も増えていない。
節約したつもりで、安物を買って後悔する

お金を使えなくなった結果、高い物を避けて安い物を選ぶことが多くなった。
しかし、安いという理由だけで選ぶと、使いにくかったり、壊れたりして、すぐに買い直す。最初から欲しかった物を買えばよかったと後悔する。まさに、安物買いの銭失いだ。
大金を使わないことが、必ずしも賢い選択ではない。価格だけを見て満足度や使用期間を無視すれば、結局は余計にお金がかかる。
分かっている。それでも購入画面を開くと、少しでも安い商品を探してしまう。知識と行動が一致するなら、俺は今ごろもう少し上手にお金を使えている。
物よりも、体験に使ったお金は後悔が少ない

これまで旅行へ行って、「行かなければよかった」と思ったことはない。お金を払って何かを体験し、ものすごく後悔した経験もほとんどない。
物は買った後に使わなくなることがあるが、体験は自分の記憶として残る。そう考えると、俺は物よりも体験にお金を使ったほうがいいのだと思う。
ただし、実際に10万円を払う場面になると、やはり株と比べてしまう。体験にお金を使うべきだと思う理性と、お金を減らしたくない感情が逆方向を向いている。
人生を楽しめていないのではないか。資産は増えているのに、使わなかったことで損をしているのではないか。最近は、そんなことまで考えるようになった。
お金の知識が増えるほど、悩みも増えた

投資をしていなければ、株価や配当利回り、インフレについて、ここまで考えなかったと思う。
今は毎月の収支を確認し、将来の生活費を考え、物価がどこまで上がるのか不安になる。資産が増える喜びより、「この金額で将来も足りるのか」という疑問のほうが大きい。
知らなければ、もっと気軽にお金を使えたかもしれない。何も知らず、何も考えなかった頃のほうが幸せだったのではないかと思うこともある。
何も知らず、何も欲しがらなければ悩みも減る。老子の思想らしい。今なら俺にもよく分かる。やはり偉人は偉大だ。
ただ、知識を得る前には戻れない。一度、10万円が配当金を生む可能性を知ると、旅行代をただの旅行代として見られなくなる。
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資産5,000万円になっても、不安は消えない気がする

俺は40歳までに資産5,000万円を作り、会社を辞めたいと考えている。
しかし、1,800万円まで増えても不安が減らなかった。5,000万円を達成しても、今度は「この資産を減らさずに暮らせるのか」と悩む気がする。
お金の不安をなくすために投資を始めたのに、資産が増えるほど値動きも大きくなり、使うことへの抵抗も強くなった。安心できる金額を探すだけでは、この不安は終わらないのかもしれない。
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まとめ|お金を増やすことと、上手に使うことは別だった

株式投資を始めて、俺の資産は増えた。
同時に、金銭感覚は以前より厳しくなり、不安も増えた。
- 服を買うより株を買いたい
- 旅行の10万円を年間3,500円の配当金と比べる
- 大きな買い物には、支出を正当化する理由が必要になった
投資を始めて分かったのは、お金を増やす能力と、納得して使う能力は別物だということだ。俺は増やすことばかり考え、使い方をほとんど考えてこなかった。
体験に使ったお金を後悔することは少ない。それなら今後は、資産額だけでなく、使わなかったことで失う経験も天秤に載せたほうがいいのだと思う。
そう思いながら、次に旅行を計画したときも旅動画を開く可能性は高い。無知で無心だった頃には戻れない。
なんとかして、お金を使わずに人生まで節約しない方法を探していきたい。