実家に帰ると、かなりの確率で発生するイベントがある。
飯を食っているとき。テレビを見ているとき。あるいは何の脈絡もなく突然。
親から一言。「お前、そろそろ結婚しないの?」
来た。また来てしまった。
独身者に対する親からの定期イベント。
俺の場合、別に「結婚したいけど相手がいない」というわけではない。
そもそも今のところ結婚する気がない。
一人暮らしは気楽だし、自分で稼いだ金は自分で使える。休日に昼まで寝ていても誰にも怒られない。
そんな生活を普通に楽しんでいる。
ただ、俺は栃木県の田舎出身。
都会なら「結婚?まあ人それぞれだよね」で終わる話でも、田舎の実家に帰ると少し事情が変わってくる。
親だけではない。
親戚、近所、昔の同級生。
いろいろな方向から結婚の話が飛んでくる可能性がある。
今回は、そんな環境で育った俺が、親から「そろそろ結婚しないの?」と言われたときにどう対応するかについて書いていく。
結論から言うと、親を説得しようとしすぎない。ケンカもしない。でも自分の人生は自分で決める。
これくらいの距離感がちょうどいい。
田舎では同級生の結婚情報が勝手に入ってくる

都会に出てきて改めて感じた田舎のすごいところ。
自分が知らない同級生の近況を親が知っている。
「○○君、結婚したらしいよ」
「○○ちゃん、子ども二人いるんだって」
「○○君は家建てたらしいよ」
知らん。
俺、その本人と10年以上話してないぞ。なぜ母親が知っている。
田舎には謎の情報ネットワークが存在する。
親同士の会話なのか、近所の人なのか、スーパーで偶然会ったのか。
こと田舎において、この情報ネットワークはSNSより強い。
しかも、この情報には高確率で続きがある。
「○○君も結婚したんだから、あんたは?」
そこにつなげるための前フリだったのか。
同級生が結婚する。俺の親に情報が入る。俺にプレッシャーが来る。
この流れ。
本人の知らないところで結婚情報が高速道路を走っている。車は農道しか走らないのに。
田舎出身の独身者なら、この感じが分かる人もいるんじゃないだろうか。
親が結婚を気にするのも分からなくはない

とはいえ、親を悪者にしたいわけではない。
親の世代からすれば、
学校を卒業する。就職する。結婚する。子どもができる。家を買う。
という人生が比較的一般的だったのかもしれない。
特に田舎では、周囲に昔から住んでいる人も多い。
「あそこの息子さん結婚したんだって」「あそこの娘さん子ども生まれたらしいよ」みたいな話も入ってきやすい。
そうなると親も、「うちの息子は大丈夫なのか?」と思うのかもしれない。
将来一人で大丈夫なのか。孫の顔を見たい。単純に息子の人生が心配。いろいろあると思う。
気持ちは分かる。分かるんだけど。
結婚する気がない人間に毎回聞いても、結婚する気は突然湧いてこない。
対処法1.「今は結婚する気がない」と普通に言う
俺なら、まず普通に伝える。というより毎回この話題が出たときは伝えている。
「今のところ結婚する気ないよ」これでいい。
重要なのは「今のところ」。
「俺は絶対に一生結婚しない!」
と実家の食卓で独身宣言をする必要はない。
人生は長い。
5年後、10年後に考えが変わる可能性だってある。だから現在の気持ちだけ伝える。
逆に、結婚する気がないのに、「いい人がいればね」と答えるのは危険。
田舎でこのセリフを言うと、「じゃあ○○さんの娘さんは?」という展開になりかねない。
俺が欲しいのは結婚相手ではなく、結婚に関する話題の終了だ。
余計な可能性を残さず、「今は考えてない」で終わらせる。
対処法2.同級生と比較されても戦わない

田舎の結婚トークで登場しがちなのが同級生。
「○○君はもう結婚したよ」と言われる。
ここで、「だから何?」と言ってはいけない。
気持ちは分かる。
俺も心の中ではそう思う。
でも言った瞬間、空気が悪くなる。
なので、「へえ、そうなんだ。おめでたいね」
これで終わり。
○○君が結婚した。めでたい。俺は結婚しない。
以上。
○○君の結婚と俺の結婚には何の因果関係もない。
同じ小学校だったからといって、同じ年齢で結婚する必要はない。
人生は運動会ではない。
全員同じタイミングでゴールする必要なんてない。
対処法3.理由を全部説明しようとしない

親から、「なんで結婚したくないの?」と聞かれることもある。
ここで真面目に説明しすぎないほうがいい。
「経済的なメリットとデメリットを考えると……」「現代の結婚制度について俺は……」「生涯未婚率を見ると……」
やめよう。
実家の食卓でプレゼンを始めるんじゃない。
「今の一人暮らしが気に入っている」「一人のほうが気楽」「今のところ結婚する必要性を感じていない」
これくらいでいい。
親を100%納得させる必要はない。
「そういう考え方なのね」くらいまで持っていければ十分。
対処法4.親戚から聞かれたら笑って流す
田舎の場合、もう一つの難関がある。それが「親戚」だ。
正月やお盆。親戚が集まる。酒を飲む。
そして誰かが聞いてくる。
「彼女いないの?」「結婚は?」
来た。
俺なら親戚に対しては真面目に説明しない。
「いやー、全然ですね」「今のところ予定ないっすね」
これで終わり。
それでも続くなら、「そのうち宝くじ当たったら考えます」くらいの適当さでいい。
親には自分の考えをある程度伝えておいたほうがいい。
でも年に数回しか会わない親戚に、自分の人生設計を30分説明する必要はない。
笑って流す。料理を食う。話題を変える。
これが一番平和。
対処法5.「孫が見たい」は背負いすぎない

親から言われて困るのが、「孫の顔が見たい」という言葉。
これは「結婚しろ」より効く。
ちょっと申し訳ない気持ちになる。
特に田舎だと、友人や親戚に孫ができて、「孫が遊びに来てさ」みたいな話を親が聞く機会もあるだろう。
そりゃ自分も孫が欲しいと思うかもしれない。
その気持ちは理解できる。
でも、親に孫を見せるために結婚するわけにはいかない。
結婚相手にも人生がある。
子どもを持つかどうかだって二人で決めること。
だから「孫を見せられなくて申し訳ない」と必要以上に背負う必要はないと思っている。
「それは約束できないな」
これでいい。
親の希望は聞く。でも自分の人生の決定権まで渡す必要はない。
対処法6.毎回聞かれるなら「答え変わらないよ」
同じ質問も1度なら何も問題ない。
問題は帰省するたびに聞かれる場合。
正月「結婚しないの?」
ゴールデンウィーク。「彼女できた?」
お盆「○○君、二人目生まれたって」
年末「来年こそはいい話ないの?」
結婚確認が四半期決算になっている。

俺は上場企業ではない。毎回報告するものはない。
ここまで来たら、「前にも言ったけど、今は結婚する気ないよ。しばらく答え変わらないと思う」と伝える。
怒る必要はない。淡々と言えばいい。
それでも聞かれる可能性はある。
そのときはもう、「前回から変更ありません」でいい。
結婚IR情報。業績予想の修正なし。俺の株価は変わらない。たぶん。
親を安心させるなら「一人でも大丈夫」を見せる
親が結婚をすすめる理由の一つが将来への心配なら、一番効果があるのはこれだと思う。
一人でもちゃんと生活する。
仕事をする。生活費を払う。貯金する。健康に気をつける。最低限の家事をする。たまには実家へ連絡する。
こういう普通のこと。
逆に40歳になっても実家に金を借り、健康診断にも行かず、部屋はゴミ屋敷。
その状態で、「俺は独身貴族として生きる!」と言われたら、親も心配する。
それはきっと貴族ではない。ただ生活が崩壊しているだけ。
結婚しなくても、自分の人生を自分で管理できている。
これを見せるほうが、「結婚する気はない」と100回説明するより親を安心させられると思う。
田舎を出ると「普通」は一つじゃないと気付く

田舎で暮らしていると、周囲の人が似た人生を歩んでいるように見えることがある。
就職。結婚。子ども。マイホーム。
もちろん、それもいい人生だと思う。
でも都会に出てきて、一人暮らしをして、いろいろな人を見るようになると、田舎ではもっていなかった視点を持つことができた。
結婚する人。結婚しない人。
子どもを持つ人。持たない人。
転職する人。会社を辞める人。
いろいろいる。
「普通の人生」って、思っていたより種類が多い。
地元の同級生が結婚したから、自分も結婚しなければいけないわけではない。
東京の独身者が楽しそうだから、一生独身でいなければいけないわけでもない。
自分に合っているほうを選べばいい。
将来気が変わったら、そのとき結婚を考えればいい
親から、「今はいいけど、老後に後悔するぞ」と言われることもある。
確かに後悔するかもしれない。
もしかしたら、しないかもしれない。
そんなの今は分からない。
ただ、将来後悔する可能性があるからといって、今したくない結婚をするのもおかしい。
それに人間の考えなんて変わる。
今は一人暮らし最高と思っていても、5年後に突然「結婚もいいかもな」と思うかもしれない。
そのとき考えればいい。
人生は一度決めた方針を変更できないゲームではない。
「今のところ結婚する気はない」
今はそれで十分。
まとめ:田舎の結婚圧は受け流すくらいでちょうどいい

栃木の田舎出身だと、親だけでなく親戚や同級生経由で結婚の話が出てくることもある。
「○○君は結婚した」「○○ちゃんには子どもがいる」「孫の顔が見たい」
いろいろ言われるかもしれない。
でも、○○君には○○君の人生がある。
俺には俺の人生がある。
親の気持ちは聞く。
心配してくれていることには感謝する。
でも、結婚するかどうかを決めるのは自分。
「今は結婚する気がない」
それでいい。
将来気が変わったら、そのとき考える。
そして次に実家へ帰って、「○○君、結婚したらしいよ。あんたは?」
と言われたら、「へえ、おめでたいね。俺?前回から変更ありません」
これくらいでいい。
田舎の情報網は止められない。
でも、自分の人生までその情報網に合わせる必要はない。
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