仕事は楽しい。取引先の役に立てるとうれしいし、感謝されれば「やってよかった」と思う。それでも俺は、会社を辞めたいと考えている。
36歳になった今、生活を振り返ると、毎日の予定も人間関係も仕事が中心になっていた。仕事を辞めたら、俺は何を楽しみに朝起きるんだろう。そう考えると、少し怖い。
不満があるから辞めたい、というわけじゃない。俺の場合は仕事に満足しているからこそ、このまま続けていいのか分からなくなった。
休みが楽しみだったあの頃にはもう戻れない

働き始めた23歳の頃、仕事は生活の二の次だった。
仕事が終われば、すぐに遊びに行く。土日も友達と遊び、予定がなければゲームをする。今振り返れば、仕事以外に時間を使うことを、特別に意識していなかった。普通に遊びたかったから遊んでいた。
ところが、年齢を重ねるにつれて、遊ぶ相手も、遊びに行こうとする意欲も減っていった。
「面倒くさいな」「今度でいいか」と思うことが増え、休日は遊ぶためより、疲れを取るために使うようになった。仕事を終えてから出かけていた頃の俺は、どこにあれだけの体力を隠していたんだろう。
仕事以外の予定が減る一方で、仕事に使う時間は増えていった。
早く出勤して、遅くまで残業する。会社から強制されたからではない。俺自身が必要だと思って、自分からそうしている。
遊びに行くのは面倒なのに、仕事をするためなら早く出勤できる。ずいぶん都合よく成長したものである。会社にとっては。
部下を見て、昔の自分を思い出した

部下が増え、休みを楽しみにしている人たちを見る機会も増えた。その様子を見ていると、働き始めた頃の自分と比較してしまう。
俺も昔は、あんなふうに休みを楽しみにしていた。
今も休日が嫌いなわけではない。休めるのはありがたい。ただ、休日に何をしたいかより、どれだけ疲れを取れるかを考えることが増えた。
自分の好きなことをするために働いていたはずなのに、いつの間にか、また働くために休むようになっている。
以前、休日を無気力に過ごすことについても記事を書いた。あのとき感じていた「何もしないまま休みが終わる」という悩みは、仕事中心の今の生活でも続いている。
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もちろん、休養は必要だ。疲れた日に無理をして遊びに行きたいわけでもない。
ただ、働く意味も、毎日を過ごす目的も、少しずつ仕事そのものになっていた。その変化には、自分でもなかなか気づかなかった。
自分で決めなくても予定が埋まり、しかも充実してしまう

会社員の生活は、ある意味では楽だと思う。明日やることも、来週やることも、仕事が用意してくれる。
取引先への対応があり、社内で進める仕事があり、役割が会社から与えられる。自分の人生をどう過ごしたいか考えなくても、目の前の仕事をしていれば一日が終わる。
しかも、俺はその仕事を楽しんでいる。取引先の役に立てばうれしいし、感謝されれば満足感もある。何も考えず、嫌々時間だけを消費しているわけではない。
自分で生活の方向を決めていなくても、毎日が埋まり、充実までしてしまう。ここが厄介なんだ。
不満だらけなら、生活を変えようと考えやすい。ところが今の俺には、「今日も仕事をしてよかった」と思える理由がある。このままでいいと思えば、たぶん明日も同じように働ける。
ブログも書くし、ジムにも行く。最近はキャンプも始めた。仕事以外に何もしていないわけではない。
それでも、自分の立場や人間関係の9割以上は仕事でできている感覚がある。もちろん全てが仕事では無いが、生活の中心がどこにあるかは、自分が一番よく分かっている。
だから、休日に趣味を一つ増やせば、今の不安が全部なくなるとも思えない。**会社の予定を中心に、自分の生活を決める状態そのものを変えたい。**
仕事を辞めたら毎日の目的がなくなる

仮に65歳まで働くとする。退職金を受け取り、ようやく自由な生活が始まる。そんな将来を想像することはある。
でも、そのときの俺は、自由な時間で何をするんだろう。
今のまま仕事を毎日の目的にして、その生活を定年まで続けたら、会社へ行かなくなった翌日から何をすればいいのか分からなくなる気がする。
もちろん、退職した瞬間に、身につけた経験や能力まで消えるわけではない。会社で出会った人たちと、全員縁が切れるとも限らない。
ただ、会社の肩書や役割がなくなった後も、今と同じように予定が入り、頼られ、満足感を得られる保証はない。
俺が怖いのは、毎朝起きて向かう先と、その日に実行する目的と理由を失うことだ。
65歳になったら何もできなくなる、と言いたいわけではない。元気に暮らしている人もいるだろう。ただ、今の俺ですら、遊びに行くのを面倒くさがっている。
そんな人間が65歳になった途端、新しい人間関係や住む場所を積極的に作れるだろうか。未来の俺に期待しすぎではないだろうか。
若い頃より体力も意欲も落ちたと感じているからこそ、まだ動けるうちに、自分で生活を作る経験をしておきたい。
今の仕事の満足感は、定年まで続くとも限らない

そもそも、この充実した毎日が65歳まで続くという考え自体、少し楽観的なのかもしれない。
部署や役職が変われば、仕事内容も変わる。今のように取引先の役に立てる仕事を、同じ形で続けられるとは限らない。会社員である以上、配置や役割をすべて自分の希望だけで決めることはできない。
今の会社に不満はない。でも、自分の満足感や毎日の目的が、会社の判断によって大きく変わる状態には不安がある。
仕事を大切にすることと、人生の先まで会社に任せることを、俺はいつの間にか一緒にしていたのかもしれない。
自分から早く出勤し、自分から残業している。その選択は俺がしている。それでも、仕事へ時間を使う選択ばかりを続けた先で、会社の外に何が残るのかは考えてこなかった。
今が楽しいからこそ、その楽しさがなくなった後についても考えておきたい。
投資を始めて、未来への価値観が変わった

こうした将来を考えるようになったのは、投資を始めた影響も大きい。
今は資産を増やすことに力を入れている。でも、増やしたお金は、いつか使うためのものだ。
いくら貯まったかだけを気にしていると、使うときの自分を忘れてしまいそうになる。お金を十分に用意できても、その頃にはやりたいことがなくなっていたら、何のために増やしたのか分からない。
俺は今のところ、結婚するつもりはない。だから、自分の人生をどう過ごし、資産を何に使うかを考えておきたい。死ぬまでには、使いたいことにできるだけ使っておきたいと思っている。
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36歳独身。婚活より先に終活の話をしている。順番が合っているのかは分からない。
会社を辞めた後の生活を、今から作っていきたい

俺は40歳で会社を辞めることを目標にしている。山奥で暮らし、農作業やDIYをしながら、ブログを書く生活をしてみたい。そのための資産目標や退職については、別の記事にまとめた。
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ただ、会社を辞めれば自動的に毎日が楽しくなるわけではない。仕事で埋まっていた時間が空けば、何をするかは自分で決めなければいけない。山奥へ引っ越したところで、面倒くさがりな俺まで別人にはならないだろう。
だから、退職する日まで待つつもりもない。ブログも、ジムも、始めたばかりのキャンプも、会社の予定とは別に自分で選んだことだ。こういう時間を、今のうちから増やしていきたい。
仕事で得た経験も、人の役に立てた喜びも、俺にとって大切なものだ。働いてきた時間を無駄だったとは思わない。
そのうえで、会社から仕事を与えられなくなっても、自分でやることを決めて暮らせるようになりたい。
仕事が楽しい今のうちに、仕事がなくても楽しめる生活を作りたい。
定年した未来の俺に、全部丸投げするのはやめておく。今の俺ですら「今度でいいや」と言っているんだから。