会社で仕事をしていると、ときどき思うことがある。
喫煙者が席を立つ。
「ちょっと一服してきます」
そして喫煙所へ消えていく。5分後、戻ってくる。しばらく仕事をする。
そしてまた、
「ちょっと一服してきます」
……。
タバコ休憩って、ちょっとズルくない?
俺はこれまで一度もタバコを吸ったことがない。だから当然、タバコ休憩というものも経験したことがない。
喫煙者が一服している間も、俺は普通に仕事をしている。
もちろん「タバコ休憩を禁止しろ!」とまで言うつもりはない。ただ、吸わない側からすると、
「その休憩、タバコを吸わない俺にもくれない?」とは思う。
今回は、一度もタバコを吸ったことがない会社員の俺が、「タバコ休憩ってズルいのか?」を吸わない側から考えてみる。
タバコを吸わない人には「タバコ休憩」が存在しない
まず、これが一番大きい。
タバコを吸う人には「ちょっと一服してきます」という、会社によってはなんとなく認められている休憩がある。
でも吸わない人が、
「ちょっと外の空気吸ってきます」
と言ったらどうだろう。
たぶん、「どうした?」となる。
さらに「ちょっとコーヒー飲んできます」と言って10分くらい席を外したら、「ずいぶん長いな」と思われるかもしれない。
でもタバコなら、「一服か」で終わることがある。
これが吸わない側からすると、ちょっと不思議なのである。
吸わない側からすると、休憩する理由として「タバコ」が妙に強い。
1回5分でも、積み重なると結構な時間になる
仮に1回のタバコ休憩が5分だったとする。
午前中に1回、昼休みとは別に1回、午後に2回。
1日4回なら20分。
月20日勤務なら400分、約6時間40分。
年間240日働くとすれば、
年間80時間。
8時間勤務で考えると約10日分になる。

もちろん、これは「1回5分・1日4回」と仮定した単純計算だ。人によって回数も時間も違う。
それでも、数分の休憩が毎日積み重なると意外と大きな時間になる。
一方、吸わない俺。
その時間、普通にパソコンをカタカタしている。
……。
俺も外の空気吸ってきていい?
「じゃあタバコ吸えばいいじゃん」は違う
こういう話をすると、
「そんなに羨ましいならタバコ吸えば?」
という話になりそうだけど、それは違う。断じて違う。
俺が欲しいのはタバコではない。休憩である。
わざわざお金を払ってタバコを買って、健康へのリスクまで背負って、ようやく5分休憩を手に入れる。
コスパが悪すぎる。
以前、「タバコを吸わない男は年間いくら得している?」という記事でも計算したが、金銭面では吸わないメリットはかなり大きい。
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だからタバコを吸いたいとは思わない。
ただ、「喫煙者だけ自然に席を離れられる仕組み」はちょっとうらやましい。
これが本音だ。
でも「タバコ休憩=完全な休憩」とも限らない
とはいえ、喫煙者側のことも考えてみる。
喫煙所へ行けば、同じ会社の人がいる。上司、先輩、他部署、場合によっては取引先。
そこで仕事の話になることもある。
「そういえば、あの案件どうなった?」
「あれ、○○さんに確認したほうがいいですよ」
「来週の予定なんだけどさ」
こういう情報交換が行われることもある。
俺はタバコを吸わないので、その場にはいない。
以前「タバコを吸わないデメリット」について書いたときにも触れたが、喫煙所には独特のコミュニケーションがあるらしい。
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つまり喫煙者からすると、
「ただサボってるわけじゃない」
という言い分もあるだろう。
これは分かる。
分かるんだけど……。
「いや、それでも席から離れてるじゃん」
とは思う。
喫煙所で重要な話が決まるのは、それはそれで困る

さらに気になるのが、「喫煙所で話が進む」という謎の文化。
これは吸わない側からすると結構困る。
会議では何も決まっていなかったのに、翌日、「昨日○○さんと話して、こうなったから」
俺「いつ話した?」
「喫煙所で」
知らん。
こっちは参加資格すら持っていない。
もちろん雑談からアイデアが生まれること自体は悪くない。
問題なのは、仕事に必要な情報まで喫煙者だけで共有されてしまうこと。
タバコを吸うかどうかで仕事上の情報格差ができるのは、さすがに違うと思う。
重要な内容なら、ちゃんと全員に共有してほしい。
タバコ休憩で一番モヤモヤする瞬間

個人的に一番モヤモヤするのは、こっちが忙しいとき。
電話が鳴る。俺が取る。また電話。俺が取る。来客。対応する。
「あれ?○○さんは?」
「タバコです」
……。
タバコ休憩、強すぎない?
もちろん毎回そんな状況になるわけではない。
ただ、忙しい時間帯に誰かが頻繁に席を外すと、その分の対応が残っている人に回ってくる。
これが続けば、「またタバコ?」と思う人が出てくるのも当然だと思う。
タバコそのものより、
「休憩している本人ではなく、残った人に負担がいくこと」
つまり、モヤモヤの正体はタバコそのものではなく、「休憩している人の分を、残った人がカバーすること」なのかもしれない。
じゃあ吸わない人も休憩すればいい
ここまで考えて、一つの結論にたどり着いた。
タバコ休憩をなくす必要はない。
だったら、吸わない人も同じように小休憩できればいい。
コーヒーを飲む。ストレッチする。外の空気を吸う。少し歩く。
何でもいい。
ずっとパソコンの前に座って8時間集中し続けるなんて、そもそも無理だ。
「喫煙者だから休憩できる」ではなく、「働いている人なら適度に小休憩していい」。そんな雰囲気のほうが健全だと思う。
「タバコ吸ってきます」が最強の休憩理由なのがおかしい
考えてみれば不思議である。
「タバコ吸ってきます」
→「はい」
「ちょっと5分休んできます」
→「なんで?」
なぜなのか。
やっていることは、どちらも仕事から少し離れること。
だったら、タバコを吸うかどうかは関係なくない?と思う。
喫煙者からタバコ休憩を取り上げるより、非喫煙者も気兼ねなく休めるようにしたほうが平和だ。
俺も「ちょっと一服してきます」の代わりに、「ちょっと無煙休憩してきます」と言いたい。
コーヒーを飲む。外を見る。ボーッとする。5分後に戻る。
誰にも迷惑をかけず、タバコ代もかからない。完璧である。
ただし「休憩の回数」は常識の範囲で
もちろん「じゃあ自由に休憩していいんだ!」となって、30分ごとに10分消える。
これは違う。
タバコでもコーヒーでも同じ。
仕事に支障が出るほど席を外せば、周りに負担がかかる。
大事なのは、「タバコだからOK・タバコじゃないからNG」ではなく、仕事に支障が出ない範囲で全員が休憩できること。
これなら吸う人も吸わない人も不満は減る。
問題はタバコそのものではなく、「休憩の公平感」なのだと思う。
実は俺も休憩したほうがいいのかもしれない

ここまで「タバコ休憩ズルくない?」と書いてきた。
でも記事を書きながら思った。
もしかすると問題は、喫煙者が休んでいることではなく、俺が休まなさすぎることなのかもしれない。
タバコを吸わない。だから席を立つ理由がない。
気付けばずっとパソコンを見ている。昼休みまでほぼ座りっぱなし。午後も座りっぱなし。
そして夕方。
肩。
バキバキ。
目。
ショボショボ。
36歳。
身体だけは正直である。
だったら俺も、ときどき席を立って少し歩いたり、ストレッチしたりすればいい。
タバコを吸う必要はない。
水でも飲めばいい。
まとめ:タバコ休憩がズルいというより「吸わない人も休ませてくれ」
タバコ休憩について、吸わない側から考えてみた。
正直に言えば、吸わない側からするとちょっとズルいと思う。
特に、喫煙者だけが当たり前のように何度も席を離れ、その間の電話や仕事を非喫煙者がカバーしている職場なら、不満が出るのは当然だと思う。
ただ、「タバコ休憩を全部禁止しろ」とも思わない。
人間、休憩は必要だ。
だから俺の結論はシンプル。
タバコ休憩をなくすんじゃなくて、吸わない人にも同じように休憩をくれ。
タバコ、コーヒー、ストレッチ、散歩、ボーッとする。
理由は何でもいい。
仕事に支障が出ない範囲なら、吸う人も吸わない人も少しくらい休めばいい。
そうすれば「あいつまたタバコ行ったよ」というモヤモヤも、少しは減るんじゃないだろうか。
俺もこれから会社で、「ちょっと一服してきます」と言ってみようかな。
もちろんタバコは吸わない。
外へ出て深呼吸して帰ってくる。
もし、
「お前タバコ吸わないだろ」
と言われたら、こう答える。
「はい。空気を吸ってきました。」