俺はタバコを吸ったことがない。
「昔は吸っていたけど禁煙した」というわけでもない。最初から吸っていない。
だから「禁煙して人生が変わりました!」みたいな話はできない。タバコを吸いたくなる感覚も、酒を飲んだあとに一本欲しくなる感覚も分からない。
そんな俺からすると、タバコを吸わないことにはメリットが多い。
金がかからない。健康面のリスクを増やさずに済む。服や部屋にニオイがつきにくい。喫煙所を探す必要もない。
普通に考えれば、「吸わないほうがいいじゃん」で終わる。
ただ、サラリーマンとして働いていると、タバコを吸わないことで「ちょっと損してるかもな」と感じる場面もある。
そこで今回はあえて逆方向から、タバコを一度も吸ったことがない俺が感じる「タバコを吸わないデメリット」を7つ挙げてみる。
もちろん、「だからタバコを吸おう」という記事ではない。
結論を先に言えば、吸わないデメリットは確かにある。でも、それを理由に今から吸い始めようとはまったく思わない。そんな話。
1.喫煙所でのコミュニケーションに参加できない

タバコを吸わないデメリットとして、個人的に一番感じるのがこれ。
喫煙所で交わされる「ちょっとした社内情報」に乗り遅れることがある。
会社員をやっていると、喫煙者同士で妙に仲良くなることがある。「ちょっと一服してきます」と言って何人かで喫煙所へ行く。
10分後。帰ってきたら、なんか話が進んでいる。
「さっき○○さんと話したんだけどさ」
俺「さっきっていつ?」
どうやら、さっきの喫煙所で話した内容らしい。
会議室では話さないようなことでも、タバコを吸いながらだと話しやすいらしい。仕事の相談、上司の愚痴、取引先の情報。「あの案件、実はこうらしいよ」みたいな話。
もちろん、正式な会議ではないので重要事項が決まるわけではない。でも、仕事を円滑にするための細かい情報が流れていることはある。
非喫煙者の俺には、この時間がない。タバコは吸いたくない。でも、喫煙所で流れている情報だけはちょっと欲しい。なかなか都合のいい話である。
2.上司や取引先と仲良くなるきっかけが一つ減る
一方で、営業職なんかだと「相手との距離を縮めるきっかけが一つ減る」と感じることもあると思う。
取引先の人が喫煙者だった場合、「一本吸います?」から会話が始まることがある。喫煙所へ移動して二人になり、そこで仕事とは関係ない話をする。
趣味。家族。車。ゴルフ。会社への愚痴。そういう雑談から距離が縮まることもある。
俺にはこれができない。相手から「タバコ吸います?」と聞かれて、「吸わないです」と答える。終了。
もちろん、タバコがなくても雑談はできる。コーヒーでもいいし、昼飯でもいい。
でもタバコには、「ちょっと外に出て二人で話す理由を自動的に作ってくれる」という特殊能力がある。これは非喫煙者から見ると、ちょっとうらやましい。
3.「休憩します」が言いにくい
これは職場によると思う。
喫煙者「ちょっとタバコ行ってきます」
周囲「いってらっしゃい」
会社に喫煙所がある場合、これが普通に成立することがある。
非喫煙者の俺「ちょっと外の空気吸ってきます」
周囲「……?」
なぜだ。
同じ5分休憩なのに、喫煙者には「一服」という分かりやすい理由がある。でもタバコを吸わない人が突然、「5分間ぼーっとしてきます」とは言いにくい。
もちろん、休憩のルールは会社によって違うし、喫煙者だから好きなだけ席を離れていいわけでもない。
ただ職場によっては、タバコ休憩だけ妙に社会的に認知されていると感じることがある。俺の会社がまさにこれだ。
俺もタバコではなく、「コーヒー吸ってきます」くらいで5分休憩できないだろうか。吸えないけど。
4.飲み会で突然一人になることがある

会社の飲み会。酒を飲む。飯を食う。みんなで話す。
しばらくすると誰かが言う。「タバコ行く?」「行く行く」
3人くらい立ち上がる。場合によっては半分くらいいなくなる。
テーブルに残された俺「……。」
さっきまで盛り上がっていたのに、急に静かになる。そして10分後、喫煙組が戻ってくる。なぜかさらに仲良くなっている。
「いやー、あの話面白かったわ!」
俺「何の話?」
また知らないところでイベントが発生している。
タバコを吸わない人間からすると、喫煙所はゲームでいう隠しステージみたいなもの。入場条件は喫煙者であること。
俺は入れない。いや、入ろうと思えば行けるのかもしれないけど、煙の中で10分立っている理由もない。
5.喫煙者の「タバコうまい」が一生分からない
これはデメリットというより、ちょっとした好奇心。
喫煙者がよく言う。「飯食ったあとのタバコがうまい」「酒飲みながら吸うとうまい」「朝の一本が最高」
俺にはまったく分からない。食後ならコーヒー飲みたい。朝ならもう少し寝たい。
でも、本人たちは本当にうまそうに吸っている。
特に冬。寒い屋外の喫煙所でブルブル震えながらタバコを吸っている人を見る。俺は暖かい室内からそれを見る。

そこまでして吸いたいほどなのか?そんなにうまいのか?
ちょっと気になる。ただ、その味を知るためだけに今から喫煙を始める気はない。世の中には知らないままでいい味もある。たぶん。
6.「タバコをやめたら年間○万円浮いた!」という感動がない
禁煙した人の記事なんかを見ると、「禁煙して年間○万円節約できました!」という話がある。すごい。
でも俺は最初から吸っていない。だから、節約した実感がゼロ。
タバコ代として毎月1万円使っていた人が禁煙すれば、その1万円がそのまま残る。「こんなに使ってたのか!」と感動できる。
俺の場合は最初から0円。0円から0円。何も起きない。
健康面でも同じ。禁煙した人は、「飯がうまくなった」「朝がラクになった」「服が臭わなくなった」みたいな変化を感じることがあるらしい。
俺には比較対象がない。最初から通常状態。
ゲーム開始時からデバフが付いていないので、デバフ解除の感動を味わえない。デバフになったからこそ分かることもあるのかもしれないが、わざわざ金を払ってバッドステータスを得る理由もない。
これはかなりどうでもいいデメリットである。
7.喫煙者同士の謎の連帯感には入れない
喫煙者同士には、たまに独特の連帯感がある。
初対面でも、「タバコ吸います?」「吸います」「じゃあ一緒に行きます?」。これだけで二人でどこかへ行く。
すごい。
俺が初対面の人に話すとして、「歯磨きします?」「します」「じゃあ一緒に行きます?」とはならない。
タバコには不思議なコミュニケーション能力がある。
さらに喫煙所が見つからないと、「あそこ吸えるらしいですよ」「マジですか!」と情報交換が始まる。喫煙所を探すという共通の目的まで生まれる。
非喫煙者にはこの連帯感がない。とはいえ、俺には喫煙所を探す必要そのものがないので、冷静に考えると別に困ってはいない。
それでもタバコを吸わないメリットのほうが大きい
ここまでタバコを吸わないデメリットを書いてきた。
喫煙所の会話に参加できない。仕事上のコミュニケーションのきっかけが減る。タバコ休憩がない。喫煙者同士の輪に入りにくい。
こうして見ると、タバコを吸わないデメリットは確かに多少ある。
でも、それでも俺は「じゃあ今からタバコを吸おう」とはならない。
喫煙には健康上のリスクがあり、お金もかかる。ニオイが気になる人もいるし、吸える場所も限られている。
そして喫煙が習慣になれば、吸わない人にはない「吸いたい」という欲求と付き合うことにもなる。
俺の場合、今まで吸わずに生活できている。だったら、わざわざ新しく習慣にする理由はない。
喫煙所コミュニケーションの代わりを作ればいい
結局、タバコを吸わないデメリットの多くは、「コミュニケーションの機会が一つ減る」という話だと思う。
だったら別の方法を使えばいい。
昼飯に行く。コーヒーを買いに行く。仕事の合間に雑談する。取引先との移動中に話す。飲み会で隣に座る。
タバコがなくても、人と仲良くなる方法はいくらでもある。
むしろ非喫煙者なら「コーヒー買ってきますけど、何かいります?」でもいい。
大事なのはタバコそのものではなく、仕事以外の雑談ができる時間やきっかけを作ることなんだと思う。
まとめ:吸わないデメリットはある。でも吸い始める理由にはならない
タバコを一度も吸ったことがない俺が感じる「タバコを吸わないデメリット」を下記する。
- 喫煙所のコミュニケーションに参加できない
- 上司や取引先と仲良くなるきっかけが一つ減る
- 「ちょっと一服」という休憩が使えない
- 飲み会で喫煙組だけ盛り上がることがある
- 「食後の一本がうまい」という感覚が分からない
- 禁煙による節約の感動を味わえない
- 喫煙者同士の連帯感には入りにくい
こんなところ。
こうして並べてみると、確かにデメリットはある。でも、そのほとんどは人間関係やコミュニケーションに関するもの。
タバコを吸わなければ解決できない問題ではない。
俺はこれまでタバコを吸ったことがない。だからタバコの本当のうまさも、吸いたくなる感覚も分からない。
ただ一つ言えるのは、知らないなら、知らないままで特に困っていない。
喫煙所で何か面白い話が行われているかもしれない。食後の一本はめちゃくちゃうまいのかもしれない。そこだけは、ちょっと気になる。
でも、そのために今からタバコを始めるかと言われたら、いや、コーヒーでいい。コーヒーがいい。
今のところ、これが俺の結論だ。