俺は2021年に転職した。前職の年収は約350万円。転職翌年には450万円になり、2025年には550万円まで増えた。前職も今も営業職で、職種を変えたわけではない。
結果だけを見れば、転職してよかったと思っている。 ただし、最初から年収200万円アップを狙っていたわけではない。転職を考えた一番の理由は、前の会社では自分のやりたい仕事ができないと分かったことだった。
この記事では、前職に大きな不満がなかった俺が転職を決めた理由と、実際に転職して良かったこと・悪かったことを書く。
転職を決めた理由は、やりたい仕事をさせてもらえなかったから

前職でも、今と同じく営業をしていた。仕事を続けるなかで、通常の業務に加えて「ここまで対応すれば、もっと取引先の役に立てるし、会社の収益も伸ばせるのではないか」と考えるようになった。
そこで、自分が考えた「+αの仕事」を会社に上申した。しかし、返ってきたのは次の回答だった。
会社にメリットがあるのは分かるが、今のところ+αをさせる予定はない。
会社には会社の事情がある。提案自体を強く否定されたわけでもない。それでも俺は、この会社にいる限り、自分がやりたい仕事はできないのだろうと思った。
その翌日、転職サイトに登録した。我ながら切り替えが早い。昨日まで会社に提案していた社員が、翌日には求人票を眺めている。会社からすれば、なかなか落ち着きのないゴリラだったと思う。
前職も今も営業職。変えたかったのは仕事の中身だった

俺が探したのは、営業職として環境系の仕事に携われる会社だった。
転職したと聞くと、まったく違う職種に挑戦したように思われるかもしれない。しかし、前職も今も営業職である。 営業そのものを辞めたかったのではない。営業として扱う仕事と、自分で提案できる範囲を変えたかった。
現在は、大きく分けて「省エネ・再生可能エネルギー設備の提案」と「産業廃棄物のコンサルティング」に携わっている。
省エネ・再生可能エネルギー設備を提案する
省エネや再生可能エネルギーに関する仕事では、太陽光発電や蓄電池などの設備を提案している。二酸化炭素の排出削減につながる設備や方法を、取引先の状況に合わせて考える仕事だ。
産業廃棄物の適正処分を提案する
産業廃棄物のコンサルティングでは、工場や工事現場の設備が環境規制に違反していないかを確認する。また、取引先の工場から発生する廃棄物について、適正な処分方法を提案している。
言葉にすると少し堅いが、取引先が環境に関するルールを守りながら事業を続けられるように支える仕事だ。俺は仕事をするなら、相手の役に立ち、感謝される仕事がしたい。
前職で考えていた「通常業務に+αの提案をして、もっと相手の役に立ちたい」という気持ちを、今は仕事として形にできている。
もちろん、仕事なので理想だけでは続かない。会社の利益も必要だし、給料も重要だ。それでも、自分が必要だと思ったことに取り組める環境で働いてみたかった。
一度くらい東京で働いてみたかった

転職には、仕事以外の理由もあった。東京に出てみたかった。
俺は栃木県の田舎で育ち、大学は福島県、前職も福島県だった。都会に住んだ経験がなく、そのまま同じ地域で働き続けることに少し引っかかりがあった。
前職の営業では、東京にある大手企業の人と仕事をする機会があった。その人は俺より年下だったが、知識も話し方も、自分とは比較できないほどしっかりしていた。
年齢だけなら俺が先輩。でも、仕事の能力は向こうが何周も先を走っていた。年齢だけ順調に積み上げても、経験まで自動的に増えるわけではない。
もっと外に出て、自分よりレベルの高い人がいる環境で働いてみたい。その気持ちも、東京への転職を後押しした。
年収350万円と貯金50万円以下では、将来が不安だった
やりたい仕事だけでなく、将来を考えれば給料も上げたかった。
福島県で年収350万円は、当時の俺には極端に低い金額だとは感じていなかった。それでも、2020年の貯金は50万円以下。当時は「老後2,000万円問題」という言葉もよく聞き、このままで大丈夫なのかという不安が強くなっていた。
将来のために貯金したくても、元になる給料が増えなければ限界がある。 節約だけでどうにかするより、収入を上げられる環境へ移ることも必要だと考えた。
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前職に大きな不満がなかったからこそ、転職には迷った

ここまで書くと、前職が嫌で逃げるように転職したと思われるかもしれない。しかし、前の会社にそれほど大きな不満はなかった。
人間関係は悪くなかったし、耐えられないほど嫌な仕事でもなかった。辞めなければ辞めないで、そのまま働き続けられたと思う。だからこそ、転職には迷いもあった。
嫌いな会社を辞めるより、悪くない会社を辞めるほうが判断は難しい。 今より良くなる保証がないからだ。それでも、やりたいことができないまま働き続けるほうが、あとで後悔する気がした。
転職して良かったのは、仕事・裁量・年収が変わったこと

自分がやりたかった仕事に取り組めた
一番良かったのは、営業職を続けながら環境系の仕事に携わり、自分がやりたかったことに取り組めたことだ。
職種は同じでも、取り組める仕事の範囲が変わったことで、転職前に感じていた「もっと取引先の役に立てるのではないか」という引っかかりも減った。給料だけでなく、自分が納得できる仕事を選べたことが、転職してよかったと思う一番の理由である。
自分で判断できる範囲が増えた
今の会社の営業職は、良くも悪くも仕事が属人化していた。そのため、自分で考えて動ける範囲が広く、やればやっただけ仕事を取れる環境だった。
前職では認めてもらえなかった+αの仕事にも取り組める。もちろん結果も自分に返ってくるが、俺にはそのほうが合っていた。
裁量が増えたことで、仕事を「やらされている」と感じる時間が減った。
年収が350万円から550万円に増えた
収入も大きく変わった。
| 時期 | 年収 | 前職との差 |
|---|---|---|
| 転職前 | 約350万円 | ― |
| 転職翌年 | 約450万円 | 約100万円増 |
| 2025年 | 約550万円 | 約200万円増 |
転職しただけで、すぐに年収550万円になったわけではない。転職翌年は450万円で、その後も仕事を続けた結果、2025年に550万円になった。
それでも、年収が約200万円増えたのは転職したからこそ得られた変化だと思う。前の会社に残っていたら、同じ年収になっていたかは分からない。
転職して悪かったのは、残業が増えたこと

転職後は、前職より残業が増えた。
ただし、会社から無理やり残業を命じられているわけではない。自分で仕事を進めたい、もう少し対応したいと思って残っている。
裁量が増えれば、やりたい仕事も増える。自由に働けることと、早く帰れることは同じではなかった。 仕事を取れば取るほど自分の仕事も増えるので、この点は転職前より大変になった。
転職で何もかも良くなったわけではない。年収が上がった分だけ、自分に求められる仕事も増えたと思っている。
年収が増えても、将来の不安はなくならなかった

前職では、年収350万円と貯金50万円以下という状況に不安を感じていた。では年収が550万円になったら、将来への不安は消えたのか。
残念ながら、消えなかった。
収入が増えれば、今度は「この年収を維持できるのか」「いつまで働けるのか」と考えるようになった。貯金や投資を続けても、安心できる金額は少しずつ遠くへ逃げていく。年収は増えたのに、心配する材料まで増えている。
ただ、不安がなくならなくても、選択肢は増えた。 貯金や投資に回せるお金が増え、将来について具体的に考えられるようになったことは、転職前との大きな違いだ。
まとめ|前の会社が嫌いでなくても、転職してよかった
俺が転職を決めたのは、前の会社が嫌いだったからではない。営業職は続けながら、環境系の仕事に携わりたかった。東京にも出てみたかった。そして、将来のために給料も上げたかった。
転職後は、自分がやりたかった仕事に取り組めるようになり、裁量も増えた。年収は350万円から、転職翌年に450万円、2025年には550万円になった。一方で残業は増え、将来への不安も消えていない。
それでも、俺は転職してよかったと思っている。
職種を変えなくても、会社を変えることで仕事の中身や裁量は変えられる。 今の会社に強い不満がなくても、「ここでは自分のやりたいことができない」と感じることはある。
すぐに会社を辞める必要はない。転職するかどうかは別として、求人を見るだけでも、自分が仕事に何を求めているのかは見えやすくなる。
俺の場合は、会社に提案を断られた翌日に転職サイトへ登録した。少し極端だったかもしれない。ただ、あの日に動かなければ、年収も仕事内容も今とは違っていたと思う。